真冬の服装に逆戻りです。
それでも集合場所ではカラ類の群れが忙しげに枝を飛び交っていました。
ヒガラ、キクイタダキ、ヤマガラ、シジュウカラなど総勢約40羽。
群れの中にエナガ2羽。
2羽とも尻尾が真っすぐでした。
どうも巣造りに失敗したようです。
植え込みの中からシロハラの軽やかな囀りも聞こえてきました。
ただ、少しまだ音量が少なめです。
今朝の寒さのせいでしょうか。

(地上のシロハラの雄 撮影:Oさん)
さて、ここでの調査も今日でまる10年が過ぎます。
同じ場所で同じ方法で観察を続けることでいくつか面白いことがわかってきました。
その一つが、鳥たちの記録状況の年による違いです。
特に、冬期の鳥たちの記録個体数の変動は顕著に現われます。
ヒガラ、ヤマガラ、キクイタダキはその代表的な種です。
下の2つの図は上記3種の2005年冬から2012年冬の平均個体数の比較です。
この公園ではいずれの種も冬鳥です。

(ヒガラ(青)とヤマガラ(赤)の平均個体数の年変動。12月から2月の調査結果に基づく)
図から年によって生息数が著しく変動することがわかります。
特に、今冬は過去の冬に比べ個体数が多いことがわかります。
今冬はヒガラが平均7.69羽、ヤマガラが5.23羽でした。
一方、キクイタダキは8年間で3シーズン記録されました。
しかし、やはり個体数は12年冬が最も多く平均3.23羽でした。

(キクイタダキの平均個体数の年変動)
この公園はヒマラヤスギを除くと僅かなスギとヒノキの木立があるだけです。
ヒガラやキクイタダキにとって、とても住みやすい環境とは思えません。
ただ、こうした傾向は周りの他の調査地とほぼ一致していることがわかっています。
宇都宮一帯に多く飛来する年は、都市公園にも多く飛来するのでしょう。
飛来数の変動の原因はわかっていません。
でも、こうした変動を自分たちの調査で察知できると嬉しくなってきます。
観察を毎週続けることは、それなりに大変です。
でも、こうしたご褒美が継続の原動力となっているのです。
次回はどんな鳥たちの出来事が記録できるでしょうか。
今朝の参加者5名、記録種数20種、記録個体数133羽
次回は4月6日7時からです。担当:平野