2012年07月26日

図書紹介 シリーズ現代の生態学5「行動生態学」

シリーズ現代の生態学 行動生態学
日本生態学会編 沓掛展之・古賀庸憲ほか著/共立出版 税別3400円
http://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320057388

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 新進気鋭の若手生態学者が考える生態学の体系を11巻のシリーズとして発行している教科書の第5巻,「行動生態学」というタイトルの本を著者の田中啓太さんから寄贈していただきましたので,ご紹介します。

 時代とともにマンガやテレビ,インターネットなどが普及し,ビジュアルな情報を手っ取り早く得ることができるようになりましたが,その一方で,じっくり読む本の価値が再認識されています。文章の中に描写される世界を自分の中で再構成して頭に思い浮かべることは,ビジュアルな情報源ではできないプロセスです。行動生態学を目指した学部生時代,まわりにその分野の教師がいなかった僕は,ひたすら本を読みました。手っ取り早くない方法だからこそ,自分で考える力がみにつくのではないかと,振り返ってみて,今はそう思います。
 さて,この本は,学生を対象と考えて編纂されています。ただ,最近の日本語の専門書ではみかけないぐらい,図表(ビジュアル)がありません。難しくない理論でも,書いてあることを読み解いて,自分で画を思い描かないといけませんが,その思考をする分だけ,理解が深まります。図表が少ないことは,もう一つ良いことがあります。ページ数の割に内容がぎっしり詰まっていることです。生態学の分野は,研究のプロセスもテーマも,解明する対象も多岐にわたっていますが,この本では網羅的にまとめることはせずに,今まさに活発に研究が行なわれているテーマをその分野の第一人者や新進気鋭の若手が分担執筆しています。1970年代,1980年代のさきがけ的な研究からどのように研究が進み現在に至っているのか,今何が一番注目されているのかが,必要十分な脱線でまとめられているので,よりぎっしり詰まっている印象を受けます。
 鳥だけの本ではありませんが,バードリサーチャー(そんな単語はない?)なら,最先端を走る研究と自分の調査データを照らしてみて,自分が対象とする鳥がなぜ今のような行動を進化させたのか,考えを高めるのにうってつけの良書です。初学者は,図表の多い比較的読みやすくまとめられた教科書で行動生態学の考え方に一度触れてから読むことをおすすめしますが,2冊目か3冊目の本として,ぜひ。
高木憲太郎


posted by バードリサーチ at 10:59| 書籍紹介 | 更新情報をチェックする

2012年07月21日

中央公園7月21日調査報告

今朝は肌寒い曇り空。
長袖のシャツでも寒いくらいです。

寒さのせい?
鳥たちも静かです。
今朝はムクドリがまた公園に戻ってきていました。
ただ、6月とは違い黙々と地上を動き回っていました。

1羽のムクドリがセミを捕らえました。
結構大きめで、翅も透明です。
ミンミンゼミのようです。
ミンミンゼミの声をまだ聞いていません。
鳥の目ざとさに驚かされます。
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(セミを捕らえたムクドリ 撮影:Oさん)

カルガモのヒナは元気に泳ぎまわっていました。
後から孵化した昭和大池のヒナも7羽揃っていました。
親鳥の心配をよそにヒナたちは人間の真下までやってきてくれました。
ウォーキング中の人たちも足を止めて見入っていました。

ササゴイの巣の下に待ちに待った青い殻を発見。
親鳥が巣から出なくなって3週間ちょっとです。
孵化したようです。
ただ、ヒナの姿を確認できませんでした。
ササゴイ_卵の殻120721.jpg
(巣の下に落ちていたササゴイの卵殻 撮影:Oさん)

20数羽巣立ちしたのに今朝は若鳥の姿がありません。
見られるのはすべて成鳥です。
もう河川へ移動してしまったのかもしれません。

来週には夏空が戻ってくることでしょう。
巣の上で動き回るササゴイのヒナの姿が確認できるかもしれません。
そしてセミの季節の到来です。
ハシブトガラスがそろそろ増加するころです。

今朝の参加者5名 記録種数15種 記録個体数124羽
次回は7月28日午前6時からです。担当:平野
posted by バードリサーチ at 11:42| みにクル報告(宇都宮) | 更新情報をチェックする

2012年07月18日

【みにクル】狭山丘陵公園調査7月(守屋)

当初予定は雨のため順延しましたが、14日も朝方まで雨が降るという展開で焦りました。
無事できてよかったです。

さて、7月の公園内では、種数が例年のように下降しました。50m範囲内では、低レベルで推移した昨年と違い、一昨年に似た推移です。
繁殖している鳥のみといったところです。(昨年はホオジロも見れなかった。)
50m内で14種、公園全体で17種。

50m範囲内での個体数は7月にしては多かったのですが、公園全体で見ると例年とほぼ同様でした。50m内で99個体、公園全体で125個体。
2012July-Park.jpg

湖は6-7月が最も少ない時期なのですが、ミサゴ、コアジサシ、セキレイ2種が観察されました。コアジサシはどこから来ているのでしょうか。
コチドリもよく見られるのは6月まで、カワウが帰ってくるのは秋口です。

2012July-Lake.jpg

来月は、8/4 6:00となります。
よろしければご参加ください。
posted by バードリサーチ at 12:07| みにクル報告(狭山) | 更新情報をチェックする
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