2012年01月03日

冬の森の鳥の活動の日周変化は?(植田)

 森林の鳥のモニタリングの研修会で全国をまわっていますが,そこでよく出る質問の1つが,「繁殖期に早朝に調査をしなければならないのはよくわかるけど,越冬期の調査は午後でも良いのでは?」
 確かに,経験的には冬は時刻による変化は繁殖期ほど大きくない気がしますが,それでも昼近くになると鳥の活性は落ちてくる感じなので,モニ1000の調査マニュアルでは「午前中に調査してね」ということになっています。けれどもしっかり確かめたことありません。そこで,お正月をつかって,冬の森の鳥の活動状況の日周変化を調べてみました。

 使ったのは東大の斎藤さんたちが運用している森林のライブ音配信のシステム。長野おたの申す平と埼玉秩父からのライブ音を,正月ですので,部屋の中で焼酎なぞちょっと飲みなが聞き取ってみました。軽く飲んでいる程度なので,それなりの精度で記録できていると思います。たぶん・・・。
 常時ライブ音を配信しているおたの申す平は,7時,9時,11時,13時,15時と2時間おきに10分間,1分ごとに声の聞こえた種を記録し,秩父は配信が行なわれる7時,12時,16時に同様に聞き取りました。そして,記録頻度(10分間の記録の合計回数)と種数の日周変化をみてみました。

 聞いてみてわかったのは,冬も朝は活発だということ。日の出直後は寒いし,あまり鳥は活発でない印象があったのですが,7時の調査で一番多くの鳥が記録されました。聞いている感覚では図に示した以上に鳥が多い感じがします。やはり空腹な朝は,鳥たちも採食のために活発に動くのかもしれません。さらに風の強いおたの申す平でも朝は風が弱く,調査のしやすさからしても朝は良いように思います。同様な傾向は秩父でもありました。その後,11時までは記録頻度は下がって行くのですが,それ以降はそれほど変化ないようです。そして,夕方はちょっと活発になるかな,という感じ。おそらく最後に採食してから寝るのでしょう。種数も記録頻度ほどの明確ではありませんが同様の傾向にありました。

記録頻度.gif

 現時点の結論からするとやはり,冬も早い時間帯の調査が良さそう。ただ,経験的には朝に日陰になっているところは,陽が当たるようになってから鳥が活発に利用するような感じがします。また,冬の調査は目視の記録も大きなウェイト占めるので,ライブ音ではわからないけどいる,ということもあるかもしれません。10日から秩父での現地調査に行ってくるので,そのときに終日観察して,鳥たちの日周変化の追加データをとってこようと思います(1日いるのは寒そうだけど・・・)。


posted by バードリサーチ at 17:37| 活動報告 | 更新情報をチェックする
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